私の作品は主に捨てられたモノの灰からできている。 捨てられるということは比喩的に言えば造られたモノの死を意味している。そんなモノからは、忘れ去られ人々の記憶から消し去られてしまった苦しみが私には伝わってくる。 モノはないがしろにされ、次第に消え去っていく。燃して灰に伏すことでモノを安らかな死へと導くと同時に、それなりの葬儀を施すことで微々たる存在であったモノに思いをはせ、今一度新しい命を吹き込む。そうすることで最後には灰となったモノが何らかの象徴としての形に生まれ変わり、新しい命へと引き継がれていく。そんなセレモニーからモノの存在と価値を人々が感じ取っていただけるものと確信している。 私の作品のコンセプトは、一度は捨て去られたモノが私の作品と創作のプロセスを通して、人々がもう一度モノと繋がりを持つ手助けをするところにある。 〈CHUNG Hye Ryung〉
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